東京高等裁判所 昭和31年(ネ)441号 判決
ところで控訴人と被控訴人との間の賃貸借契約において無断増改築を禁ずる特約があつたことはこれを認むべき証拠がないけれども、たとえこれを禁ずる特約がなくとも、かような無断増改築は、その状況、程度如何によつては、賃借人の保管義務違反又は用法遵守義務違反として民法第五百四十一条の規定による契約解除の原因となり、又かような行為が賃貸人の信頼を裏切り賃貸借の継続を著しく困難ならしめるような賃貸人に対する甚しい背信行為と目される程度に達するときは、賃貸借が当事者相互の信頼関係の上に立つ継続的契約関係である以上、賃貸人は催告を要せず直ちに契約を将来に向つて解除することもできるものと解すべきである。
(斎藤 坂本 小沢)